2004年12月05日

お葬式

昨日の嵐が嘘のように、今日はいいお天気だった。
住職の読経のなか、焼香を終わらせ
参列してくれた方々に頭を下げる。
仲のいい友人の姿を見つけ、声をかけてくれる近所の方々の前で
また、涙が止まらなくなった。

出棺…火葬場へと母は行ってしまった。
後を追いかけて、火葬場へと向かう。

いよいよ本当に最期のお別れ…
棺の中の母に別れを告げる。

ダメだ!涙が止まらない。
イヤだ!母を焼かないで!このまま家に連れて帰りたい。
イヤだ!イヤだ!
泣きすがる私を、叔母たちが諌める。
「お母さんが思いを残すよ。」













一時間半後…
母は骨になって、戻ってきた。
葬儀屋さんが準備してくれた骨壷はとても小さかった。
父が、「大きな骨壷にかえて下さい。お骨は全部持って帰ります」
という声が遠くに聞こえた。

それから後のことはよく覚えていない。

次の日から、子どもたちは学校に行かせた。
金曜日に旅立ち、週末で全てを終わらせることができた。
段取り屋の母らしい…最期だった。
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2004年12月04日

お通夜

いつの間にか眠っていた。
この家で母のそばで寝むのは最後だから、少しでも長く起きていようと思っていたのに…

お通夜の準備のため、たくさんの人が出たり入ったりしている。
何をすればいいのかわからない。

午後になり、葬儀屋さんがお棺を準備してきた。
昨日病院で姉と看護師さんできれいにお化粧してもらっていたけど
化粧直しをするのだそうだ。
その間、親族は席を外してくれといわれた。

呼ばれていくと、眠ったような顔をしたした母が横たわっていた。
わずかに口元に笑みを浮かべている。

あとの段取りもわからず、姉たちと居間に戻り夕食の心配をしていると
母はもう斎場に出発していた。

雨だった。激しい土砂降りだった。
母の涙雨。。。いえ、私たち家族の涙雨。。。
雷を伴って一晩中降り続いた。
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2004年12月03日

12月3日

明け方5時になるのを待って、家に電話した。
『もう、いつまで持つかわからん。子ども達に会わせたいから連れてきて。』
6時前にダーリンが二人の娘を連れて駆けつけてくれた。
娘たちの「おばあちゃん。」と呼びかける声に母は何か言いたそうな様子だった。
もう、みんな泣くしかなかった。
子ども達は学校があるので連れて帰ってもらい、状態が落ち着いているから、叔父叔母達にも引き上げてもらった。
父と姉と伯母と私の4人で付き添うことにした。
もしものことを考えて、父は車を自宅に持って帰った。
義兄も駆けつけてくれた。
夕べ連絡の取れなかった叔父一家も来てくれた。

もう、時間の感覚もない。
空腹感も感じない。
でも、家族以外の人がいると言うことで食事の心配etc.
考える前に伯母や叔父一家に気遣いをしていた。
母の手をさすり、声をかけながら…

黒いタール状の排便に気付いたのはそんな時だった。
看護師さんを呼び、オムツを替えてもらった。
ついでに清拭もしてもらった。
父もタクシーを使い戻ってきた。

全然眠くなかった。

昼になり、義兄が食事を買ってきてくれた。
お腹はすいてなかったけど、私が食べないと皆が食べられないと思い、
役目モノのように食べた。
何を食べたか覚えていない。

姉は午前中1時間くらい仮眠していた。
食事をしたせいか私も少し眠くなっていた。
『お姉ちゃん、私少し寝るね』
2時半を過ぎていた

1時間も眠っただろうか…?
でも、不思議とぐっすりと眠っていた。
目覚めると、とてもすっきりした気分だった。
洗面所で顔を洗って、病室に戻り母に声をかけて、
『お姉ちゃん、もう少し横になっててもいい?』
と言いながら、伯母達と雑談していた。

ふと、母に目をやると息遣いがおかしい。
『お母さん?どこかきつい?お母さん!』
姉も父も伯母達も叫んでいた。
ナースコールを押して医師を呼び・・・・

12月3日 16:22 母は遠いところへ旅立って行った。


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2004年12月02日

12月2日

早朝6時に電話が鳴った。
『もしもし?』
「いちごちゃん?おばちゃんだけど、朝早くにごめんね。」
昨夜から付き添ってくれている叔母からの電話だ
『おばちゃん!お母さんどうかしたん?』
「いやいや、お母さんは大丈夫。昨日痛んだって聞いてたけど夕べはなんともなかったよ。」
よかった。
「あのね、お母さんが電話してくれって3時ごろから言うもんでね。今まで待たせてたんだけど、もう6時になったからいいかなと思って。寝てた?」
『うん。大丈夫。』
「お母さんがジャガイモの味噌汁を食べたいって言うんよね。そんなん食べられんやろう。って言うんやけど、いちごに電話してくれ、いちごに言ったらわかるからって言うもんでね。」
『あぁ、わかった。塊は食べられんけど、汁だけは飲んでいいって言われてるんよ。今からジャガイモの味噌汁作って持って行くよ。』

子ども達の朝の準備をして、子どもが出かけるのと一緒に母の病院へ・・・
今日は姉はどうしても休めないと言うことで、昼間は父が付き添う予定だが、その父も今日は受診日で昼前にしか病院には来られないと言う。父が病院に来るまで私が付き添い、夕方また父と交代して今晩は私が付き添うことになっている。
明日になれば姉ともう一人の伯母が付き添ってくれるし、その次の日には兄も帰ってくる。

病院に着いて、叔母におにぎりと味噌汁の朝食を食べてもらい、
母にも汁を楽のみで飲ませた。
「おいしい〜。(笑)」
よかった。
「どうしてもジャガイモの味噌汁が食べたかったんよ。この人に言うてもわからんでね。早くいちごに電話してって言うとにかけてくれんでね。」
叔母・・・(苦笑)
『だってお母さん真夜中に言ったって、あたしだって寝とうし持ってこられんばい(笑)』
「そ〜お?」
「昨日はこの人が泊まってくれたき良かったよ。
 明日はお姉ちゃんが来てやるち言うて帰ったばい。
 今日の昼は誰がおってくれるとやろか?」
『お父さんが病院の帰りに来るって言ってたよ。
 お父さんが来るまではいちごがおるきね。』
「そうね。」
『夜はまたいちごが来るきね。』
そう話すと安心したのかウトウトしだした。

昨夜は叔母とずいぶん遅くまで色々な話をしたらしい。
前夜の苦しみようが嘘のように穏やかだったらしい。

大丈夫。まだまだ大丈夫。
お母さんはこんなことじゃへこたれないはず。


11時近くになって父がやってきた。
父が来るまで母は
「遅いね〜。なんしようとやろかね。」
『病院2件行くって言ってたから時間がかかるんよ。
 もうすぐ来るよ。』
「遅いね〜。」
しきりに心配していた。
『お母さんね〜、お父さんが来るとをまだかまだかってまっちょったんばい。
 待ち長かったよね〜(笑)』
「事故でも起こしたんじゃなかろうかと思って、心配したばい。」
『お待ちかねのお父さんも来たことやし、あたしはもう帰るよ。
 夕方また来るきね。お父さんとラブラブしちょって(笑)』
「何を言いようかね(照)
 ありがとう。気をつけて帰りなさい。」
父と二言三言話して安心したのか、また眠りについた。
昨夜のことを話して、私はいったん帰ることにした。

これが母と交わした会話らしい会話の最後でした。


家のことを終わらせ、義母に後のことをお願いして5時過ぎに病院に向かった。
病室に入ると父が母の足下に上がりこんでいた。
『何しよん?』
「う〜ん。足を痛がるき。さすってやったら、気持ちがいいみたいで・・・」
「立ったままずっとやったら俺もきちいき。」
私が帰った後しばらく二人で話をしたらしいが、3時すぎ頃から痛がり始めて痛み止めを注射してもらったらしい。
『お母さん。いちごが来たよ。』
と声をかけても返事をしない。ただ、痛がるだけ。
「寝ちょうか起きちょうかわからん。」
と父が言うように、意識がなくなってうわ言で「痛い痛い。」と言っているようだった。
主治医も特別何も言わずに部屋を出て行ったようだった。
足をさすっていると「痛い」と言わないから父はずっと母の足をさすっていたそうだ。
『お父さん。今日はもう代わるから、暗くならんうちに帰って。』
『帰り着くまでが心配やき』
そんなこんなで父は6時前に帰宅した。
もう、薄暗くなっていた。

父が帰った後、父と同じように母の足をさすっていると自然に涙があふれてきた。
止めようと思ってもダメだった。
泣きながら『お母さん。頑張れ。まだダメ。』とつぶやくように母の足をさすっていた。
勤務が終わったのかSさんが病室に寄ってくれた。
「おばちゃん。頑張ろうね。」と声をかけてくれる。
その間もいちごの涙は止まらず。。。ボロボロ出てくる。最後はしゃくりまであげてしまった。
帰る前にSさんが「ちょっと廊下でいい?」と声をかけてくれた。

廊下に出るとSさんは私の背中を優しくなでながら、
「今晩ということはないと思うけど、もう・・・」
「一人じゃ辛いだろうからおじちゃんかお姉さんに来てもらったらどう?」
父は今帰ったばかりだと言うと、
「おじちゃんも疲れてるだろうから、今すぐ来てとは言えないだろうから9時頃来てもらうように電話するといいよ。」
「それとね、辛いだろうケド病気になっても最後まで耳だけは生きてるっていうから、いちごさんがしっかりして、談話室で思いっきり泣いて、顔を洗ってそれからお母さんのそばについてやって。」

もう、涙が止まらなかった。
夕方病室に入ったときから異常は感じていたけど、認めたくない自分がいて・・・
でも、もうダメなんだとあきらめてる自分もいて・・・
Sさんの言うようにその後、誰もいない談話室で思い切り泣いて、顔を洗って母の元へ戻った。
先ほどと変わらない様子で母はそこにいた。
『お母さん、取り乱してゴメンネ。お母さんが頑張ってるんだから、いちごも頑張るよ。』
そんなコトを思いながら、また、母の足をさすった。

7時過ぎ夜勤の看護師さんが巡回に来られ、またもや廊下に呼び出された。
「合わせたい人がいらっしゃるなら、呼んでください。」
「お父さんは・・・?」
『もう少しして電話をかけて、来てもらうつもりです。』
「子どもさんにも・・・連絡された方が・・・」
『本人の兄妹なんかも呼んだ方がいいですか?』
「はい・・・まだ、今なら意識が少し残っているみたいだから、今のうちに・・・」
9時前になってから・・・と思っていたけど、すぐに父に電話した。
父が到着してから、姉に電話して、それから母の兄妹、父の兄弟にも電話した。
明日の夕方帰郷する予定だった兄には姉から連絡してもらった。

9時過ぎには叔父や叔母が集まってくれた。
叔父や叔母が声をかけると、声のする方へ顔を向ける。
やっぱり聞こえているんだ。
姉も駆けつけて母に声をかける。

12時近くまでほとんどの親戚がいてくれた。
母の兄妹たちはそのまま一晩中付き添ってくれた。
結局この日は一睡もしなかった。
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2004年12月01日

12月1日

自宅に帰り、家のことをざっと終わらせ仮眠を取るつもりだった。
今晩も付き添わなければならないかもしれない。
明日もあさっても・・・いつまで続くんだろう。
どんな状態でもいいからお母さんに一日でも長く生きていてほしい。
でも、夕べのあの状態は・・・、
あんなに痛がるのに一日でも長くと思うのは私のわがままかもしれない。
そんなコトを考えながらウトウトしていると、
叔母から電話があった。
「いちごちゃん、お疲れ様。大変やったねぇ。
 今、うちにお父さんが来てね。
 今日の夜はおばちゃんが病院に泊まるき、いちごちゃんはゆっくり休みなさい。」
「お父さんもだいぶまいっちょうみたいやね。
 お父さんの妹に付き添いを頼んだって言ったら
 お母さんが絶対に嫌!いちごに頼めばいい!って言ったらしいよ。」
「いちご一人じゃいちごが倒れるって言ったら、
 そんなら○○(叔母)に頼んでって言ったらしいよ。」
父は次男なのに家を継ぎ、母は姑・小姑に辛くあたられてずいぶん苦労してきている。
姑、私の祖母が寝込んだときも父の姉妹たちは母にまかせっきりで
看病らしい看病はほとんどしてくれなくて、逆に小言を言われたりしていた。
そんな叔母たちの世話になりたくないと母が思ってもしかたないと思う。
でも、父にしてみれば実の姉妹なわけで
母の姉妹にばかり迷惑をかけたくないとの思いがあったのだろう。
父は父で複雑な思いがあり、でも私の前で泣くわけにはいかなくて
叔母に話しながら・・・感情が昂ったのだろう。

結局、今日は昼間は姉が夜は叔母が付き添ってくれるということで話がまとまった。

来なくていいと言われたけど、気になるので姉がいるうちにと思い3時すぎ病院に行った。
夕べのことが嘘のように今日は一日穏やかに過ごせたらしい。
H市に住む叔父が来てくれていて、叔父と和やかに話していた。
良かった。安心したよ。
叔父が帰るとき
母「バイバイ。もうこれでさよならばい。」
と言ったのには驚いた・・・
い「お母さん、なん言いよんね。またいつでも会えるやろう。」
母「う〜ん、でもこの人とはもうこれが最期やろう。」
い「お母さん!なんでそんなこと言うん?」
母「お母さんはもうすぐ遠いところに行くきね。」
い「遠いところってどこに行くんね?」
母「う〜ん。ずーっと遠いところ。もう帰ってこられんごたあばい。」
い「・・・・・。そんなバカらしいこと言わんで・・・(涙)」
posted by いちご at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日日是好日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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